written by @raq_reezy
おはようございます。
少し肌寒くなってきましたが、とても過ごしやすい空気ですね。先日は日光にいったのですが、渋滞しすぎていて、ほとんど何も見ることができずに帰ってきました。しかも紅葉していたかも謎でした笑。謎だぜ!
それでは、今週もニュースレターをお楽しみください。
ネットラップはもう終わったのか
今回は、以下のご質問に回答したいと思います。
ネットコミニティで活動していた人たちが好きでした RAqさんも一時期はネットコミュニティの中でマイクリレーや客演を活発にやっていて そこから知れました 皆次のステージに移って行く物なのである程度仕方ないとは分かっているんですが 皆コミュニティから消えて行き個々で追うしかない現状に悲しさすら感じてます ニコニコ動画等が衰退した今、今後似た文化が生まれていく事はないのでしょうか それとも私のアンテナの感度が悪くなってるだけで気づけて居ないだけなんでしょうか
ネットラップとはどのような文化だったか
まず最初に、僕が一時期活動していたネットコミュニティ、いわゆる「ネットラップ」を知らない方も多いと思うので、それがどのようなものだったかを簡単に説明します。
ネットラップ、その中でも最大だったニコラップというものは、以下のようなものでした。
- 当時、DIY精神のあるラッパーたちが、ニコニコ動画に「ニコラップ」タグをつけて自作のラップ音源をアップしていた。
- ニコニコ動画で「ニコラップ」タグを新着順に並べると最盛期には毎日おそらく3~4曲ほど新曲が上がっていた。
- リスナーが「ニコラップ」タグで新曲をチェックできるだけでなく、ラッパー同士もお互いの曲をチェックして存在を認知していたので、ツイッターやSkypeで繋がるなどして、客演やマイクリレーなどのコラボレーションをしていた
- 「ニコラップ」タグに新曲をあげているラッパーたちを集めたライブも開催されていた
ニコラップは、アメリカでいうと2010年頃のDatpiff(ミックステープサイト)のようなイメージで機能していて、ここから多くのアーティストが発掘されてデビューしています。僕自身もKADOKAWAからCDデビューをしました。
しかし、元々「ここなら曲を聴いてもらえる」ということでラッパーが集まっていたので、ニコニコ動画の衰退とともに、それぞれ活動場所を移したり、引退したりして、現在はニコラップも衰退しています。
今後、過去のニコラップのラッパーたちが集まるコミュニティが生じる可能性はほぼ無いと思うので、こちらは個々に追っていただくしかないと思います。これは、過去にニコラップにいた人たちの多くは、おそらくそういうコミュニティを求める年齢ではなくなっているからです。
そのため、過去のニコラップのラッパーではなく、若くて新しいラッパーたちが集うようなコミュニティが生じる可能性があるかについて考えてみたいと思います。
ヒップホップ自体がコミュニティではある
まず大前提として、ニコラップでなくとも、そもそもヒップホップ自体がコミュニティだという考え方もあります。
ヒップホップという枠の中で多くのラッパーが活動しており、コラボレーションもしているし、POP YOURSのようなフェスもあります。ただし、あまりに規模が大きいため、全てをチェックすることが難しかったり、全体としての一体感を感じにくかったりするかもしれません。
そのため、もう少し小さな規模感のコミュニティを考えてみることにします。
SNSはアルゴリズム時代なのでコミュニティは生じにくい
現在のSNSは、アルゴリズム主導で投稿をチェックするようになっています。
そのため、「ニコラップ」のような特定のタグをベースに新着投稿をチェックするという空間は以前と比べると生じにくいと思います。実際、YouTubeやTikTok、Instagramの特定のタグを検索しているという方は少ないと思います。
先日、nanaというカラオケアプリに実はそういうコミュニティがあったと、とあるラッパーの方から聞いたので、そういうコミュニティがあるSNSがないわけではないと思いますが、全体としてはそうしたコミュニティは生じにくくなっていると思います。