名刺になるような代表曲はベテランになってからも生まれる

名刺になるような代表曲はベテランになってからも生まれる

#37:2024年1月31日発行

2024/1/31

written by @raq_reezy

📨「ラッパーである人生」は、隔週水曜日にラッパーのRAq(らっく)が音楽活動やクリエイター活動に関するコラムをお届けするニュースレターです。リクエストやご質問なども大歓迎です。

📝 コラム:名刺になるような代表曲はベテランになってからも生まれる

皆様おはようございます。お久しぶりです。
少し間が空いてしまったけれど、2024年も気分を新たにニュースレターを書いていきたい。さて、気分を改めるついでに、これまでは丁寧語で書いてきたこのニュースレターだけど、今後は口語調で書いてみるという、ちょっとした味変を敢行してみたい。
理由としては、口語の方がなんとなく距離が近い感じがするからという超単純なものだけど、まあ思いつきなので、忘れた頃には丁寧語に戻っているかもしれない。
さて、本題。

世に知られ始めたときの注目はいずれなくなる

僕は2010年にラップを始めたので、もう気付けば14年ほどラップをしていることになる。何を持ってベテランというかは分からないけれど、仮に活動期間で区切るなら、もうフレッシュなアーティストであるわけがなく、言い逃れできないベテランということになるだろう。
前にもやや似たようなことを少し書いたけれど、ベテランになってくると、活動を始めた頃のような注目はなくなっていく。活動を始めて、最初に界隈に知られ始めたときは「こいつって何者なんだろう」とみんなが興味を持ってくれる。だけど、そうした興味は当然いつまでも持つわけではないので、徐々になくなっていく。
そうすると、創作活動というのは、だんだんと静かで穏やかなものになる。静かで穏やかというとポジティブな響きだけど、視点を変えると退屈で物足りなくなる。過去の一番注目されていたときの輝きと比較してしまうと、落ち目だと思えて、創作活動をやめてしまう人もたくさんいると思う。
このニュースレターも創作活動をテーマに書いたりしているので、読者の方の中にも、そうした中で創作活動をやめてしまった方や、やめそうになっている方もいるかもしれない。

ベテランになった後に代表曲が生まれる事例は無限にある

しかし。しかしである。
活動開始したばかりの頃のような熱烈な注目が無くなったあとに、ふとそのアーティストの名刺となるような代表曲が生まれる事例はたくさんある。
例えば、JAY-Zの「Empire State Of Mind」は11枚目のアルバムで、デビューアルバムから実に20年以上の時を経てから誕生している。スヌープドッグの「Young, Wild & Free」もデビューアルバムから18年ほど経って生まれている。ファレルの「Happy」もベテランになってから生まれている。
こんな事例は無限にある。
だから、静かで穏やかな創作活動の時期に入ってしまったとしても、「以前のような熱を取り戻さないと」とか「前ほど注目されないから、もうダメだ」みたいな強迫観念に駆られることなく、肩の力を抜いて、良い活動を続けていけばよいと僕は思っている。
というか、そんなふうに思うようになってから、楽しんで曲を作ることができている。ということで、今週も新曲「Umbrella Flow」を出したので、ぜひ聴いてほしい。

💿 最新リリース:Umbrella Flow

2022年から隔週水曜日にリリースを続けるRAqによる「Umbrella Flow」は、ラップのスキルで魅せる「Flow」シリーズの最新作。自身の才能を雨にたとえて傘が必要だとまで豪語する本曲では、ミニマムなビートの上でセルフボーストが展開される。

📮 読者のなんでも投稿コーナー

💡 「読者のなんでも投稿コーナー」は、読者の方が自由に投稿できるコーナー。自分の創作活動の告知、ニュースレターや新曲の感想、誰かに訴えたいことなど、何でも投稿してください。ひとことコメントを添えて掲載します。

✏️ チラ裏ニュースレター派出所

💡 「チラ裏ニュースレター派出所」は、普段YouTubeの概要欄に書いているチラ裏の派出所。メインのコラムとは別にちょっとしたことをしたためます。

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